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院長コラム

漢方 アラカルト ②

~漢方薬アラカルト②~

先月号に引き続き、漢方の素朴な疑問にお付き合いください。

「漢方薬って高いんでしょ?」
漢方薬は、①病院で医師から処方、②ドラックストアなどで市販薬を購入、③漢方専門薬局や保険外診療の漢方病院などで生薬を調合してもらう場合があります。病院では、診察の結果で体質に合っている粉末顆粒の漢方エキス製剤を保険診療で処方するため、3割か1割負担となります。②の場合も粉末製剤か、飲みやすいカプセル剤を買いますが、副作用などをおさえるため、病院のものより生薬が少なめの場合もあります。また、当たり前ですが全額自己負担です。③では、煎じ薬である生の生薬そのものをブレンドして処方されます。その場合は、自分で煎じて飲む必要があるため、ひと手間必要ですが、新鮮なものをその場で抽出するため、粉末製剤より効果が高いと思われます。
きっと、①は、高級なインスタントコーヒー。②は普通のインスタントコーヒー。③は、自分が気に入ったコーヒー豆を買ってきて、自家焙煎し、ドリップして楽しんでいる状態かなとイメージするとどうでしょうか?
漢方薬って高いんでしょ?と言われても、最初っからブルーマウンテンコーヒーを求めている人は気になりませんし、ささっとコーヒーを飲みたい人にはインスタントの方が重宝しますので、人それぞれなんですね。
ただ、病院で処方する高級インスタント漢方は、効能を最大限に発揮するために、自社栽培の畑でとれたこだわりの生薬で出来ているため、普段使いとしては自信をもって素晴らしいものだと言えます。

「漢方には副作用がないから安心なんでしょ?」
副作用のない薬は、たぶんこの世にありません。なぜなら、薬効があると言うことは、逆に効きすぎると、それが副作用になるからです(下剤が効きすぎたら下痢になります)。副作用のない薬は、小麦粉玉だけです。おっと、小麦にもやっぱりアレルギーという副作用がありました。と言うように、漢方もいろいろな食物などのブレンドであるため、食物アレルギーがあると、蕁麻疹などの反応がでることがあります。ただし、煮だして抽出しているため、生の食品と同じ反応が出るとは限りませんが、注意が必要です。
また、漢方薬は最低でも150種類以上ありますが、その半分以上に『甘草』という生薬が入っています。甘草は、生薬の効能を高めたり、調和をよくする触媒の役割もありますが、強力な抗炎症作用があり、蕁麻疹や慢性肝炎などにも効くため、いろいろな漢方に便利に配合されています。
甘草は、モンゴルの砂漠地帯にはえているマメ科の植物の根っこで、煎じるとピーナッツのような香りがして、ショ糖の50倍も甘いと言われます。砂漠の乾いた環境で育つため、少しでも水を大切にしようと、水を貯える作用がものすごく強いのです。そこで、甘草を取りすぎると、逆にむくみの原因となり、血圧が上がったり、カリウムというミネラル分を失うため、低カリウム血症になります。高度の低カリウムは、不整脈や倦怠感の原因となり注意です。しかし、もしもそんな状態になったときは、漢方を休止すれば元に戻りますので、なんかおかしいぞ?自分に合わないぞ?と思った時は、処方した医師にすぐに相談することが大切です。

「結局、西洋薬とどこが違うの?」
いい質問です!
西洋医学では、病気に対して効果がありそうな物質を見つけたら、どの成分が有効なのか細かく分析し、そこから分離された単一の成分を薬とします。しかし、漢方は症状に対して効果のありそうな生薬をブレンドして薬とするため、西洋薬は引き算、漢方薬は足し算の理論で出来ています。
ですから、血圧の薬は降圧だけに、糖尿の薬は血糖値を下げることだけに効くのに比べて、漢方は”いい意味で”混ぜ物であり、いろいろなことに効く可能性があります。例えば、生理不順で困っている色白の若い女性に、体を温める漢方を処方すると、生理痛だけではなく、冷え性や便秘・倦怠感・肩こりもとれて、すごく体調がよくなったと言っていただけたりします。また、頻尿で困っているご高齢の方に、腰から下を温める漢方を処方すると、膀胱だけでなく、足もポカポカと温まって、膝や腰の痛みもとれ、元気に歩けるようにもなります。
漢方は、病気を見つけて治すというよりは、その人のくずれたバランスを戻すことに主眼を置いていますので、同じような症状の方でも、体質によって薬が変わることがよくあります。

とにかく、何かお困りのことがありましたら、まずは漢方処方をしている医師にご相談いただくのが解決の糸口かもしれません。

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